にきびの悪化は食べ物のせいだけ?
よく、チョコレートを食べたり、飲み会が焼き肉屋だったりした翌朝に鏡をみてがっくりしたあなた。
なぜ、にきびが悪化するのでしょう。 にきびに刺激物はよくないっていうから。。。
そのとおりですね。 ただ、ここでは中医学的にそのメカニズムについてお話してみることにしましょう。中医学では、胃は食べたものを受け止めるはたらきをするだけです。
食べたものを消化吸収して体中に栄養分を運搬する臓器を脾とよびます。
胃は丈夫なのに脾が弱っていると、食べ物でにきびが悪化するという現象が起きてきます。
どうして、胃が丈夫で脾が弱いとだめなの?
食べたものを受け入れる胃は、本来とてもエネルギッシュな臓器です。
テレビやパソコンをつけっぱなしにしていたとき、熱くなっているのに気づいたことがありませんか。常に動いたり働いたりすると熱が生まれます。
胃も食べ物をいつ受け入れてもいいように準備しているため、いつも温かい状態にあります。
また、もともと脾のはたらきが弱い人や、冷たい飲食物をとりすぎたりして脾のはたらきが弱ると水分代謝に異常がでて、体にとって必要ない余分な水分(湿)を生み出して抱え込みます。
(「諸湿脹満は、みな脾に属す」といいます)
刺激のつよいものや脂っこいものを食べ過ぎて胃がオーバーヒートした時(胃熱)に、体に余分な水分があると、その熱とくっついて、湿熱となります。体には、いらないものを体外に出そうとするはたらきが備わっています。冬にエアコンを使った時、足もとは温かくないけれど立ってみたら温かいと感じることがありますが、温かいものは上に上がりやすく、冷たいものは下に下りやすい性質があります。体の中でも同じ現象が起きて、湿熱は逃げ場を求めて、体の上部(体表部)へと吹き上がってきます。
脾胃の出入り口は口であるために、脾胃の状態と口は密接な関係があります。
そのために、食べ物で悪化するような人のにきびは口のまわり、顎にかけてでてくるのです。
にきびは、湿熱が吹き上がった状態にあるため、皮膚から盛り上がって赤くて熱感のあるものになります。また、先端が膿んだり、にきびをつぶした時に液状のものがでたりします。
このような人は、胃は丈夫で食欲旺盛、脂っこいものでも問題なく食べれる傾向にあっても、脾が弱くて湿を生む状態にあるため、にきび以外の症状では、体がその湿を便と一緒にして排泄しようとするために軟便・下痢傾向であったり、口内炎などがでてきたりします。
治療は?
胃熱を冷まして脾のはたらきを助けて消化を高める半夏瀉心湯や、胃熱や体にこもった熱を取り除いて余分な水分の排出を促す黄連解毒湯を使います。黄連解毒湯は熱を冷ます苦寒の薬物が入っているため、脾胃にダメージを与えることがあります。また、顔面にできるにきびは風湿熱であるために、袪風薬が必要となります。平胃散の蒼朮が袪風をしますので必ず、黄連解毒湯と平胃散を併用することです。