●病気と闘う免疫システム
体内に侵入した細菌・ウイルスなどの外敵を排除し、また体内で増殖したガン細胞のような内敵と闘う機能、これが免疫です。 この免疫システムが正常に稼働しているからこそ、ふだん私たちは健康でいられるわけです。つまり、免疫力=病気に抵抗できる力、といってもいいでしょう。 免疫細胞の最初の仕事は、体の中に侵入してくるいろいろな物質を、自分の体の一部か、そうでないかを識別することから始まります。
この免疫という働きの中心的役割を担っているのが白血球です。白血球の免疫細胞は、働きによって大きく分類すると次の3つになります。
@マクロファージ‥細菌や老廃細胞などを食べて処理する。
A顆粒球‥・・・・・主に細菌の処理を受けもつ。
Bリンパ球‥・・・・主にウイルスなどの抗原に特異的に結合する抗体を生産し
て処理する。
これらの免疫細胞が緊密な連携プレーを行いながら、さまざまな敵と闘っています。 体内に病原菌などの外敵が侵入すると、まずマクロファージが発見し、それを飲み込むなどして有害か無害かをチェックします。そして有害と認識すると、その情報をヘルパーT細胞に伝えます。
ヘルパーT細胞は、マクロファージやキラーT細胞、B細胞を活性化させ、外敵への攻撃命令を下します。
命令を受けたキラーT細胞は外敵を攻撃し、またガン細胞などを自然死(アポトーシス)に追い込んだりします。
B細胞はヘルパーT細胞からの情報をもとに免疫グロブリンという抗体を生産し、その抗体でガン細胞などを封じ込めて破壊したり、マクロファージに捕食されやすくします。
体内の非自己を発見し積極的に攻撃する細胞はマクロファージだけではありません。
NK細胞も異物を見つけ次第に攻撃する細胞です。同じく異物を攻撃するキラーT細胞と違うのは、その名が示すとおり、ヘルパーT細胞の指示を待たずにガン化した細胞などの異物を独自に攻撃できるところです。