がんと免疫系健康食品・・・・・・・・メシマコブの薬効

Pleurotus cornucopiae Lentimis Edodes Mycelia Cordyceps Siinenis Pleurotus ostreatus  parassis crispa  Agaricus blazei Murill

菌糸体と子実体 メシマコブの薬効 メシマコブと免疫 メシマコブとがん
 
 
メシマコブは、タバコウロコタケ科でキコブタケの仲間に属する多年生のキノコです。

 和名のメシマコブという名前は、長崎県の男女群島の女島(メシマ)≠ノ野生していた桑の木に、コブ状=@に生えていたということに由来しています。 コブ状ですから、柄がなく桑の木の幹からサルノコシカケのように直接出ています。

 メシマコブの原産地は、長崎県の女島に代表される日本(本州以南)のほかに、フィリピン、オーストラリア、北アメリカなどです。 メシマコブの抗ガン作用に関するデータが最初に明らかにされたのは、いまから30年以上もさかのぼる1968年です。 データを発表したのは、国立がんセンターの池川哲郎氏らの研究グループでした。このころは、ガン撲滅のための有用な食品や材料が探索されていた時代で、国立がんセンターでは、メシマコブなどの十数種類のキノコを選び出し、抗腫瘍効果を測定しました。

 この実験の結果、メシマコブは腫瘍阻止率96・7%という驚くべき数字を示しました。この実験に使われたキノコのうち、カワラタケからはクレスチン、シイタケからはレンチナンといった抗ガン性成分が分離されましたが、メシマコブの腫瘍阻止率はカワラタケが77・5%、シイタケが80・7%で、メシマコブのほうがはるかに高かったのです

しかし、このようにメシマコブの抗腫瘍効果が注目されていたにもかかわらず、メシマコブが薬としての開発になかなか利用されなかったのはなぜでしょうか。 メシマコブの研究開発が進まなかったのは、野生のメシマコブがごく限られたところにしか成育せず、天然物のメシマコブの入手が困難であったこと、メシマコブの子実体の栽培はもちろん、メシマコブの菌糸体の大量培養すらもむずかしかったことがあげられます。

 そのために、日本ではメシマコブの名前は次第に忘れられてしまいましたが、韓国ではメシマコブの研究は地道に続けられ、1990年代に入ってメシマコブの菌糸体を用いて製剤化に成功し、1993年10月、韓国政府から正式に医薬品の認可を受け、現在、韓国の大学病院など多くの医療機関でメシマコブはガン治療に用いられています。

 韓国において高い抗ガン効果がぞくぞくと報告されたこともあって、日本でもメシマコブの効きめがあらためて見直されるようになりました。 しかし、日本では医薬品としての販売は許可されていないため、いわゆる健康食品としての扱いを受けているのが現状です。

メシマコブは、免疫細胞を活性化することによってガンを封じ込めていきます。その機能は次のとおりです。

《メシマコブはマクロファージの活性を3〜5倍も増強》

 ソウル大学校薬学大学のキム・ピョンガク博士らは、1991年に次のような実験を行いました。マウスを4グループに分けてメシマコブを与え、マクロファージの活性度を比較しました。その結果、マクロファージの働きが正常なマウスでは約3倍、ガンに侵されたマウスでは約5倍も高まったことが確認されました。

 つまり、メシマコブはマクロファージの活性を約3〜5倍増強することがわかったのです。

《メシマコブの抗体能力増強は129倍》

 忠南大学校薬学大学のジョン・キョンス博士は、1992年に次のような実験を行いました。ガンにかかっていないマウスにメシマコブの成分を注射で与え、免疫機能がどのように変化するかを調べました。 すると、マウスの抗体反応が129倍もアップしたのです。

 すでに述べたように、ヘルパーT細胞から、異物に村する攻撃命令を受けたB細胞は、免疫グロブリンという抗体をつくつて外敵を攻撃・駆除していきます。 抗体は、外敵に向けて発射するミサイルのようなものです。このB細胞がつくりだした抗体は、発射されたあと敵の抗原にくっつくことによって敵を無力化します。 この抗体能力が129倍になったということは、それだけガンを攻撃する能力が増強されたということにほかなりません。

《NK細胞活性は2倍も増強》

 リンパ球の一種で、いつも体内を巡回し、ガン細胞やウイルスに感染した細胞がいれば、ただちに処理するのがNK細胞です。 このNK細胞は、ナチュラルキラー細胞という本来の名前のとおり、生まれついてのガンの殺し屋ですが、その活性は20歳をピークに、高齢になるとともに下がっていってしまいます。 したがって、ガンの予防や改善のためには、NK細胞を増強することが必要になってきます。メシマコブはNK細胞を2倍も増強することがわかっています。

 以上、これらメシマコブのマクロファージ活性、抗体能力増強、NK細胞活性などを総合した免疫増強効果が、メシマコブの抗腫瘍率(ガンを阻止する能力) 96・7%の数字となってあらわれているわけです。