これらキノコの中には,古くから漢方薬として用いられてきたものも少なくありませんが,近年,キノコの制がん物質の研究が主として我が国で盛んに進められているのは注目すべきことです。
キノコの制がん物質は,そのほとんどが多糖類のグルカンといわれているものですが,すでに医薬品となっているものにはカワラタケ(Coriolus
versicolor)のクレスチン,シイタケ(Lentinus edodes)のレンチナン,スエヒロタケ(Schizophyllum
commune)のソニフィランなどがあります。
さらにマンネンタケ(Ganoderma lucidum)、コフキサルノコシカケ(Ganoderma
applanatum,Elfvingia applanata)、エノキタケ(Flammulina
velutipes)、ハラタケ(Agaricus campestris)、キヌガサタケ(Dictyophora
indusiata)や、マイタケ(Grifola frondosa)についても,グルカンを有効成分とする制がん物質が報告されています。