「冬虫夏草の主な効果」
古来、冬虫夏草は中国では、不老不死、強精強壮の秘薬とされ、さらに結核、黄疸、アヘンの解毒に効くとされていました。
中国の「本草從新」には、冬蟲夏草、性味が甘平であり、肺、腎を補う。肺を保ち、腎を益し、血を止め、痰を化し、労嗽を已むと記載されています。
中国伝承医学での肺や腎臓は解剖学的な臓器というよりもかなり概念的なものであり、その働きも広範囲に及んでいます。
肺は、呼吸の中枢であると同時に、全身のエネルギーの運行を滑らかにし、体内の水分の運行に関わり、心臓を助け、細菌感染や寒さに対する抵抗力の源でもあります。心肺機能を高め呼吸器の病気を克服し、免疫を強化し、血液をきれいにして、体のエネルギーの流れを整え、清澄な気分にするという意味が「保肺」にあります。
腎臓は精を宿すところで、精力と気力、人体をつくる生命力の源であるといえます。視床下部、脳下垂体、副腎皮質、性腺の各種ホルモンの働きを活発にし、生体調整全般をつかさどります。「益腎」とは、この腎の働きを高めることであります。
さらに、「本草綱目拾遺」では、“効用は薬用人参と同じ”で上薬であると記載されています。
中国医学薬の分け方の一つに、上薬、中薬、下薬があります。
上薬とは、命を養う薬で毒性が無く、久しく服用しても全く害が無い。
中薬とは、体調を整える働きの薬が主で、慢性病を治し、無毒も有毒もある。
下薬とは、急性病を治すのに必要だが、毒性を持つものも多く、短期間のみ服用すべきもの。
また、言い換えれば病気を治す医療と同時に、病気を未然に防ぎ、“より健やかな体をつくる”。即ち、滋養強壮薬とよばれ、中国では補薬といいますが、これが上薬です。
代表的なものが薬用人参で、「冬虫夏草」もこれに匹敵するものとみなされています。
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