にきび治療とサプリメント
パントテン酸
まずは、お肌のしくみなどについて少しお話しをしましょう。
皮膚の大事な機能の1つに、外界からの紫外線や細菌・バクテリア・化学物質などをはねつける働きがあります。角質細胞上を薄く覆っている脂膜が肌の状態を弱酸性に保って、それら外敵に対して第一の重要なバリアーとなって進入を防いでいます。さらには、無害化する働きもあって、きれいな皮膚を保ちます。その正常な皮膚状態を維持するには、皮膚のターンオーバー(細胞再生)がしっかりと行われることが必要なのです。
平均2週間かけて行われるターンオーバーについてお話ししましょう。
表皮の一番下にある基底細胞が細胞分裂して新しくできた表皮細胞は、だんだんと皮膚表面に向かって押し上げられ、最後に細胞核が消滅しケラチンと呼ばれるタンパク質、角質層となります。その後、約2週間後に角質層は、新たにできた表皮細胞によって押し上げられて、表皮にとどまっていることができなくなります。役目を終えた角質層は、垢となってはがれ落ちます。
皮膚では、このターンオーバーが繰り返されていることで、正常にその機能を発揮します。また、体の筋肉や皮膚などの組織を作るもとはタンパク質です。食事で体内に取り入れたタンパク質は、そのままの形では人間のタンパク質とはなりません。一度、胃酸や各種消化酵素によってアミノ酸というものにバラバラに分解されて、そのあと、人間の体にとっていい形のタンパク質(筋肉・皮膚など)へと再合成されています。
パントテン酸とにきびの関係について
ビタミンBのように、健康な皮膚・髪・爪をつくり、細胞の再生やエネルギーの代謝を促進する栄養素です。アミノ酸、糖、脂質の代謝に深く関わります。さまざまな食物に含まれるため、不足することはあまりないといわれていますが、不足して脂質の代謝がうまくいかなくなると、皮脂分泌のコントロールに異常をきたして、皮膚表面を弱酸性に保つ力を低下させます。そうすると、細菌に対する抵抗力も低下してにきびができやすくなります。 アミノ酸代謝能力が低下すると、ターンオーバーが正常通りに進まなくなって、にきびのできやすい肌になってしまいます。ビタミンCのはたらきをたすけて正常な皮膚の維持に役立ちます。ほかにも、免疫力を高めたりストレスから身を守ってくれたりするパントテン酸、パワフルに活躍してくれます。